このところチケットを譲っていただくことが多くて、
先日は七月大歌舞伎を見て、明日はアイスショーを見てきます。
歌舞伎座が再建中のため、新橋演舞場での上演、
話題の海老蔵さんの復帰公演でした。
歌舞伎はコクーン歌舞伎を数回と、十二夜で1回、
地方公演で「与話情浮名横櫛」(よわなさけ うきなの よこぐし)を見たくらいで、
そんなに詳しくありませんが、独特の雰囲気と華やかさがあって
ミュージカルやオペラとはまた違った楽しさがありました。
十二夜で侍女を演じていた亀次郎さんは、それ以来ちょっと好きな役者さんではありますが、
それでもいわゆるオーソドックスな演目での亀次郎さんは見てないので
今度機会があったら、そちらも見てみたいなと思っています。
先日は七月大歌舞伎を見て、明日はアイスショーを見てきます。
歌舞伎座が再建中のため、新橋演舞場での上演、
話題の海老蔵さんの復帰公演でした。
歌舞伎はコクーン歌舞伎を数回と、十二夜で1回、
地方公演で「与話情浮名横櫛」(よわなさけ うきなの よこぐし)を見たくらいで、
そんなに詳しくありませんが、独特の雰囲気と華やかさがあって
ミュージカルやオペラとはまた違った楽しさがありました。
十二夜で侍女を演じていた亀次郎さんは、それ以来ちょっと好きな役者さんではありますが、
それでもいわゆるオーソドックスな演目での亀次郎さんは見てないので
今度機会があったら、そちらも見てみたいなと思っています。
毎日暑いですねぇ〜〜〜〜!
こんな中節電は大変ですが、我が家には楽がいるので
午後3時くらいにエアコンが着くようにタイマーセットしてる分
設定温度は高め、私が帰宅後窓を開けられるときはなるべく止めると
人間我慢、動物優先の節電中…
蛍光灯や台所の照明も半分は使わないように外してます。
寝るときはアイスノンすると結構体が冷えて眠れるので助かります。
アイスノン素晴らしい……!
節電しつつ、熱中症には気をつけないとね。
さてさて、
劇団☆新感線去年の作品で上演中はチケット取れず、
見たいみたいと思っていた作品がついにゲキ×シネに登場!
前回の「蛮幽鬼」で映画とはいえその画質の良さと音質のクリアさ、
さらに演劇ファンには重要な演劇としての撮影アングルに感動して、
舞台が見られないときはこれをと思ったものです。
ストーリーはこちらの公式ページで確認いただくとして…
いや〜〜!天海祐希、格好いいわ〜!
私はとりたてて宝塚ファンでないですが、以前彼女が宝塚にまだ在籍していた頃、
彼女が4番手くらいだったときに見て注目してた女優さん。
学生時代の友人が、その時トップだった人の大ファンで
無理やり連れて行かれたときに注目したのが最初でした。
その当時はトップさんの何番目か横だったのですが、
私の目はトップさんではなく、その時の天海さんに釘付け…。
名前もわからず、終わった後、あの人は誰?と聞いてわかったのが彼女でした。
その後も別に私は宝塚にはまることはなかったのですが、
彼女の名前だけは覚えていて、
今でも彼女は好きな女優さんの一人です。
今回
伊坂幸太郎の次にはまったのが石田衣良。
以前はそれぞれプライドを持って大きな仕事をしていた男が
転職先で上手くいかず、その後も納得の行く仕事ができないまま
家庭内も嫌な空気がある中、性癖を暴かれ自分の作った会社から追い出された、
あるヴェンチャー企業の元社長の人生建て直しをプロデュースしたことがきっかけで
仕事も家庭も少しずつ変わってくるというお話。
友達が読んでよかったと言っていたこちらの作品、確かに40代の今読むと元気と勇気がもらえました。
他の作品でも彼は主人公に語らせてるのですが
今の「人」を機械や部品のように使い、簡単に捨てる雇用のあり方に批判の目を向けていて、
そこも共感できます。
ひとつひとつはオムニバスエピソードになっていて、
最初くすぶってる主人公の人生も、急に上向くわけではないし、
一応ハッピーエンドではあるけれど、
すべて皆が幸せなままというわけではないのです。
それでも人生の半分を過ぎ、色々なことに先が見えてしまう悲しさ、苦しさ
諦観を持ちながらも、周りが既に見捨てている自分達の力を
同じように苦しむ他の40代以降の世代に向け使い成功を収めるのは痛快です。
昔の終身雇用制に戻れとは言わないけれど、
チームワークで仕事をし、成果をあげてきた日本の仕事の仕組み
人と人との絆を大事にしてきた社会というものは
アメリカ型のビジネスシステムを中途半端に取り入れたことで壊れてしまった…
ちょっと前には自分の意思でフリーターになる若者に警鐘をならしていたけれど、
いまやなりたくなくても、そういう形態しか選べない社会になっている恐ろしさ。
それでもふんばって生きていかなければならないとしたら
自分が出来ること、若い人間にはない、身についたキャリアと人脈を使ってやっていくしかない…。
おそらく私とほぼ同じ世代であろう作者のメッセージが
ストレートに伝わってくる作品でした。
他の作品もいくつか読んで、間違いないと思ったので、
今まで避けていた↓の作品も続けて読んでます。
単なるストリートにたむろする若者の話かと思っていたら、
オムニバスミステリー形式で素直に読めてしまうのと、
ギャングとヤクザが微妙なバランスで安定させてる池袋という町で
ギャングにもヤクザにも、ましてや警察(主人公は刑事からもスカウトされてる観察眼の持ち主^^;)にも属さず、
依頼にも必要以外の金を取らず、普通の果物屋の兄ちゃんとして生きてる様子が
いきいき描かれてるし、主人公がクラシックが好きで事件があるたび色々な曲を選んで聞いてるあたり、
読みながらBGMが聞こえてくるようで面白いです。
1作目で気に入り、3冊ほど続きも買ってしまいました(^^;)。
まだ読んでない巻も見つけて読まないと…!
以前はそれぞれプライドを持って大きな仕事をしていた男が
転職先で上手くいかず、その後も納得の行く仕事ができないまま
家庭内も嫌な空気がある中、性癖を暴かれ自分の作った会社から追い出された、
あるヴェンチャー企業の元社長の人生建て直しをプロデュースしたことがきっかけで
仕事も家庭も少しずつ変わってくるというお話。
![]() | 40 翼ふたたび (講談社文庫) (2009/02/13) 石田 衣良 商品詳細を見る |
友達が読んでよかったと言っていたこちらの作品、確かに40代の今読むと元気と勇気がもらえました。
他の作品でも彼は主人公に語らせてるのですが
今の「人」を機械や部品のように使い、簡単に捨てる雇用のあり方に批判の目を向けていて、
そこも共感できます。
ひとつひとつはオムニバスエピソードになっていて、
最初くすぶってる主人公の人生も、急に上向くわけではないし、
一応ハッピーエンドではあるけれど、
すべて皆が幸せなままというわけではないのです。
それでも人生の半分を過ぎ、色々なことに先が見えてしまう悲しさ、苦しさ
諦観を持ちながらも、周りが既に見捨てている自分達の力を
同じように苦しむ他の40代以降の世代に向け使い成功を収めるのは痛快です。
昔の終身雇用制に戻れとは言わないけれど、
チームワークで仕事をし、成果をあげてきた日本の仕事の仕組み
人と人との絆を大事にしてきた社会というものは
アメリカ型のビジネスシステムを中途半端に取り入れたことで壊れてしまった…
ちょっと前には自分の意思でフリーターになる若者に警鐘をならしていたけれど、
いまやなりたくなくても、そういう形態しか選べない社会になっている恐ろしさ。
それでもふんばって生きていかなければならないとしたら
自分が出来ること、若い人間にはない、身についたキャリアと人脈を使ってやっていくしかない…。
おそらく私とほぼ同じ世代であろう作者のメッセージが
ストレートに伝わってくる作品でした。
他の作品もいくつか読んで、間違いないと思ったので、
今まで避けていた↓の作品も続けて読んでます。
![]() | 池袋ウエストゲートパーク (文春文庫) (2001/07) 石田 衣良 商品詳細を見る |
![]() | 骨音―池袋ウエストゲートパーク3 (文春文庫) (2004/09/03) 石田 衣良 商品詳細を見る |
単なるストリートにたむろする若者の話かと思っていたら、
オムニバスミステリー形式で素直に読めてしまうのと、
ギャングとヤクザが微妙なバランスで安定させてる池袋という町で
ギャングにもヤクザにも、ましてや警察(主人公は刑事からもスカウトされてる観察眼の持ち主^^;)にも属さず、
依頼にも必要以外の金を取らず、普通の果物屋の兄ちゃんとして生きてる様子が
いきいき描かれてるし、主人公がクラシックが好きで事件があるたび色々な曲を選んで聞いてるあたり、
読みながらBGMが聞こえてくるようで面白いです。
1作目で気に入り、3冊ほど続きも買ってしまいました(^^;)。
まだ読んでない巻も見つけて読まないと…!
転職してから忙しくなりなかなか更新できないですが、
良い職場だし、なかなか充実した日々を送ってます。
だんだん仕事も増えてきて、学校との両立も結構体力を使って
日曜日はぐったりですが、それでも1ヶ月に1回はなんらかの作品を見るようにしてます。
先日も「レ・ミゼラブル」の特別キャスト版を見て
久しぶりに感動したところです。
こちらの感想はまた跡で書くとして、まずはメトのオペラの感想をば。
5月のメトのライブビューイングはロッシーニの「オリー伯爵」。
アリアの技巧と高音が出る人がなかなかいないため
あまり上演される機会のない作品ですが、
私の好きなフローレスがこれを得意としているため
絶対にはずせないと、早くからチケットを買っていました。
女たらしの伯爵が、十字軍の遠征で男がいなくなった女達をなんとかモノにしようと
人々の悩みを聞き癒す隠者に変装したり、巡礼の修道女に変装したりする顛末を
喜劇にしたものです。
女たらしぶりはドン・ジョヴァンニ並ですが、
彼のような悪魔的な魅力ではなく、どこか抜けてるおっちょこちょいな女たらしです(笑)。
彼が本気で口説こうとしてる女伯爵は、彼の小姓も想っていて、
かなり身持ちのかたい女伯爵も小姓の誠実さには心惹かれていきます。
なので、ハンサムで身分の高いオリー伯爵も結局は負けることになり
貴族のもくろみは外れて終わる喜劇で、その痛めつけられぶりはフィガロの結婚のアルマヴィーヴァにも
通じる部分があり痛快です。
この伯爵のおっちょこちょいな女好きぶりが
フローレスの声にぴったりで、
本人も喜劇を演じるのが好きというだけあって、
とても楽しそうに演じてました。
特に面白かったのが、彼が尼僧に変装して
女伯爵アデルの寝室に「嵐が怖いから一緒に寝てください」(ありえんだろー!笑)と忍び込む場面。
ここではオリーのたくらみを察した小姓イゾリエが、アデルの振りをしてオリーの口説きと
抱擁だのキスだのを受けるわけですすが(笑)、今回の演出ではアデルも同じベッドの上で
3人がいれかわり立ち代り"濡れ場"の一歩手前までいくのがセクシーかつ笑えるシーンでした(笑)。
今回フローレスはじめ、皆素晴らしかったけれど、特に印象にのこったのが小姓役のメゾ・ソプラノ
ジョイス・ディドナート。お小姓役は若い男の子だけに女性のメゾの方がやることが多いのですが、
人によっては色気がありすぎて男性に見えないこともあるなか、
彼女は「少年の色気」を上手く出していました。
男性役をするメゾさんとしては、以前ばらの騎士でオクタヴィアンを演じていたアンネ・ゾフィー・フォン・オッターさんが結構お気に入りだったのですが、今回のジョイスさんも良かったです。
ジョイスさんのばらの騎士も見てみたいなー。
このライブビューイングもあと3作で終わり。
私はもう買ってるチケットはないのですが、
5月末〜6月初めのIl Trovatoreは見ようかどうしようか迷ってます。
マクヴィカーの演出だし、アルヴァレスがマンリーコだから
見たいな〜とは思ってるんですが、最近週末はグッタリなので直前まで悩みそうです。
来年のラインナップも出てきていて、ネトレプコのアンナ・ボレーナ、ラモン・ヴァルガスとバルバラ・フリットリが出るドン・ジョヴァンニ、ナタリー・デセイのトラヴィアータ、サルヴァトーレ・リチートラの出るエルナーニあたりを見たいなと思ってます。
ミュージカルは三銃士と来日のコーラスラインを見る予定。
こちらも楽しみです。
良い職場だし、なかなか充実した日々を送ってます。
だんだん仕事も増えてきて、学校との両立も結構体力を使って
日曜日はぐったりですが、それでも1ヶ月に1回はなんらかの作品を見るようにしてます。
先日も「レ・ミゼラブル」の特別キャスト版を見て
久しぶりに感動したところです。
こちらの感想はまた跡で書くとして、まずはメトのオペラの感想をば。
5月のメトのライブビューイングはロッシーニの「オリー伯爵」。
アリアの技巧と高音が出る人がなかなかいないため
あまり上演される機会のない作品ですが、
私の好きなフローレスがこれを得意としているため
絶対にはずせないと、早くからチケットを買っていました。
女たらしの伯爵が、十字軍の遠征で男がいなくなった女達をなんとかモノにしようと
人々の悩みを聞き癒す隠者に変装したり、巡礼の修道女に変装したりする顛末を
喜劇にしたものです。
女たらしぶりはドン・ジョヴァンニ並ですが、
彼のような悪魔的な魅力ではなく、どこか抜けてるおっちょこちょいな女たらしです(笑)。
彼が本気で口説こうとしてる女伯爵は、彼の小姓も想っていて、
かなり身持ちのかたい女伯爵も小姓の誠実さには心惹かれていきます。
なので、ハンサムで身分の高いオリー伯爵も結局は負けることになり
貴族のもくろみは外れて終わる喜劇で、その痛めつけられぶりはフィガロの結婚のアルマヴィーヴァにも
通じる部分があり痛快です。
この伯爵のおっちょこちょいな女好きぶりが
フローレスの声にぴったりで、
本人も喜劇を演じるのが好きというだけあって、
とても楽しそうに演じてました。
特に面白かったのが、彼が尼僧に変装して
女伯爵アデルの寝室に「嵐が怖いから一緒に寝てください」(ありえんだろー!笑)と忍び込む場面。
ここではオリーのたくらみを察した小姓イゾリエが、アデルの振りをしてオリーの口説きと
抱擁だのキスだのを受けるわけですすが(笑)、今回の演出ではアデルも同じベッドの上で
3人がいれかわり立ち代り"濡れ場"の一歩手前までいくのがセクシーかつ笑えるシーンでした(笑)。
今回フローレスはじめ、皆素晴らしかったけれど、特に印象にのこったのが小姓役のメゾ・ソプラノ
ジョイス・ディドナート。お小姓役は若い男の子だけに女性のメゾの方がやることが多いのですが、
人によっては色気がありすぎて男性に見えないこともあるなか、
彼女は「少年の色気」を上手く出していました。
男性役をするメゾさんとしては、以前ばらの騎士でオクタヴィアンを演じていたアンネ・ゾフィー・フォン・オッターさんが結構お気に入りだったのですが、今回のジョイスさんも良かったです。
ジョイスさんのばらの騎士も見てみたいなー。
このライブビューイングもあと3作で終わり。
私はもう買ってるチケットはないのですが、
5月末〜6月初めのIl Trovatoreは見ようかどうしようか迷ってます。
マクヴィカーの演出だし、アルヴァレスがマンリーコだから
見たいな〜とは思ってるんですが、最近週末はグッタリなので直前まで悩みそうです。
来年のラインナップも出てきていて、ネトレプコのアンナ・ボレーナ、ラモン・ヴァルガスとバルバラ・フリットリが出るドン・ジョヴァンニ、ナタリー・デセイのトラヴィアータ、サルヴァトーレ・リチートラの出るエルナーニあたりを見たいなと思ってます。
ミュージカルは三銃士と来日のコーラスラインを見る予定。
こちらも楽しみです。
3DカルメンとMETライブ・ビューイング「ランメルモールのルチア」をハシゴしてきました(^^;)
まずはカルメン。
オペラを3Dってどうよ?って思ったのですが、
いや〜画像綺麗だし、まるで舞台の上で見てるかのような迫力でした。
SF映画やアニメーションほど、動作が激しいわけではないし、
何かが向かってきて、思わずよけちゃうということはなかったのですが、
コーラスも含め、人がたくさんいる場面の奥行感とか
歌っている人の表情などがはっきり見えて
芝居的な要素が強調されますね。
それがオペラとしていいか悪いかは別ですが。
ただ、今回は歌も芝居も最高レベルの舞台の映像化でした。
カルメンって女性は時々女性の解放だとか自由だとかの視点で語られたり、
逆に悪女ぶりが誇張されたりしますけど、
今日見た演出だと、キリスト教倫理観で思考する男とジプシーの人生観(自由で開放的と解釈されることが多いけど、実は仲間内の暗黙の了解的な掟に縛られてる)を持つ未成熟な女が、必然的に辿る悲劇的運命なんじゃないだろうかと感じました。
恋してる男がいるから強盗の仕事には今回行けないというカルメンの言葉から察するに、この段階では普通の恋する女。違うのは皆からちやほやされる分、惚れられて当たり前、男は自分の言うことを聞いて当たり前と思ってしまう、この手の女が必ず陥る思い込み。そういう意味ではカルメンは魔性の女でもなんでもないんじゃないかな。それが彼女に会いに来たドン・ホセが帰営ラッパの音を聞き帰ると言い出すのを聞き、彼女は初めて自分の思い通りにならない相手だと思って感情的に怒るのです。またホセはホセで、仕事だから我慢するのが当たり前という自分が今まで慣れ親しんだ価値観をカルメンにも押し付けるからけんかになるのは当たり前。
カルメンの感情がホセを拒否しだすのは、せっかく上官から内密にホセを逃がそうとしたのに、
嫉妬に狂ったホセは彼女のせっかくの行為を台無しにし、結果的にホセもジプシーの盗賊行為に加担することになる…。このあたりからカルメンがホセの押し付けがましく、威圧的な愛情に嫌気がさしてきます。
ただ一般的に思われてるカルメン像なら、最後にあぶないとわかっていながら、
ホセと二人だけで話す環境を作らないんじゃないかなという気がします。
二人の女友達が心配してるのに、彼と話すわと言って結果的にさされてしまうカルメンは、
占いで出た結果が現実になる運命だと信じていた、または自分からそれを引き寄せてしまってのだと思います。
だとすると、やり方はとても残酷だけれど、彼女は彼女なりにホセを愛していたんじゃないかと思ってしまうわけです。
今回は表情がとてもよく見えたせいか、歌手達の表情、身振りなどから芝居的要素が際立って見えましたが、
これも演出家の意図なのかもと思ったりします。
舞台はシンプルなのに、とても洗練されていました。
ホセとカルメンの絡みはとても官能的だったし、
ジプシーのダンスシーンでは、本格的フラメンコダンスが見られたり、
舞台セットはそれほど大仰ではないのに、華やかな舞台でした。
この作品で私が唯一退屈になるのはミカエラとホセのシーンなんだけど、
それでも、そのシーンがないと他の部分が目立たないから仕方ないか(笑)。
歌手はカルメン役とドン・ホセ役の人は特に素晴らしかった!
両方ともルックスや体型も想像力で補わなくてもいい人だったし(^^;)、
カルメン役のクリスティーン・ライスは目配せや誘惑の仕方も上手かったです。
カルメン クリスティーン・ライス
ドン・ホセ ブライアン・ハイメル
エスカミーリョ アリス・アルギリス
ミカエラ マイヤ・コバレヴスカ
モラレス ダーウィッド・キンバーグ
ズ二ガ ニコラ・クルジャル
フラスキータ エレナ・クサントウダキス
メルセデス ポーラ・ムリヒー
ダンカイロ エイドリアン・クラーク
レメンダード ハリー・ニコール
「ランメルモールのルチア」は初見。DVDなどでも見たことがなかった作品で、
今回とても楽しみにしてました。
内容はスコットランドのロミオとジュリエットみたいな敵同士の恋愛悲劇です。
ただし、ルチアはジュリエットより悲劇的。
理由としてはまずルチアの繊細さと弱さにあります。
スコットランドは幽霊話が多く、この作品にもそれがモチーフとして使われてましたが、
ヒロインルチアは、どうやらそういう話を聞くと、それが見えてしまったり
くよくよしてしまうとても弱い女性のようです。
実際今回の演出では、嫉妬に狂った男性から殺され泉の底に眠っている女性の話を歌うアリアの際、
女性が幽霊として出てきたりする演出で、ルチアの精神的弱さを表現し、
それがまたラストの狂乱の場面を暗示していて興味深かったです。
政敵である妹の想い人への復讐心から、妹に嘘の手紙を読ませ、一族再興に役立つ相手との結婚を強要する兄も
ちょっと粘着質すぎる異常さがありますから、
この演出では、そういう精神的不安定さを抱える人物ゆえに起こった悲劇として描いていたのかも。
最初から狂うことを暗示する前提のもとに歌うのは、さぞかし難しいだろうと思うのに、
ルチア役のナタリーデセイは、とても丁寧で繊細な、計算されつくした歌い方と表情で演じてました。
当たり役だけのことはあります!
幕間インタビューでちょっと喉が乾燥してて…と言っていたように
ちょっとかすれる部分がありヒヤっとしましたが、
それをふっとばす素晴らしい出来でした。
ルチアの恋人エドガルドのジョセフ・カレーヤも素直に伸びるいい声。
ルチアの兄エンリコのルードヴィック・テジエは低音の響き方がいい!
この方、インタビューの時のお声も低く響いて素敵でした〜♪
ちなみにお顔もハリー・ポッターに出てくるスネイプ先生が年をとったらこんな感じ?
という雰囲気で私好みでした(笑)。
印象的だったのはナタリー・デセイがインタビューで語った言葉。
いつもこれが最後だと思って歌ってる…
一期一会ってことですよね。だからこそ素晴らしいんだな〜と再認識。
この人の演技プランは並の女優さん以上です。
さらにインタビューで喜劇と悲劇、どちらが好きですか?と聞かれ、
悲劇のほうが楽(感情に任せて歌い演じられる)で、喜劇だとタイミングがしっかり決まっていて
はずすと笑うシーンにならないらしく、そのタイミングが凄く難しいけど、
喜劇のほうがお好きらしいです。
これは私もそうなので、なんとなく嬉しいかったです。
体が自然に動くように、歌う前に自分用の地図のような計画を立てるとか、
話を聞いてると、頭もいい方のようですね。
これだけ意識して歌い演じられてる方なら、
彼女が他の役をやったときも見てみたいものです。
来年は椿姫のライブビューイングもあるみたいだから、
彼女のヴィオレッタもぜひ見てみたいものです。
(トリノのRegio来日公演では彼女がヴィオレッタだったんだけど、見られなかった…)
映画とはいえ、舞台をそのまま中継してるので、
途中休憩がはいり、3〜4時間の鑑賞…
さすがに疲れました(笑)が、楽しかったです。
ルチア ナタリー・デセイ
エドガルド ジョセフ・カレーヤ
エンリーコ ルードヴィック・テジエ
まずはカルメン。
オペラを3Dってどうよ?って思ったのですが、
いや〜画像綺麗だし、まるで舞台の上で見てるかのような迫力でした。
SF映画やアニメーションほど、動作が激しいわけではないし、
何かが向かってきて、思わずよけちゃうということはなかったのですが、
コーラスも含め、人がたくさんいる場面の奥行感とか
歌っている人の表情などがはっきり見えて
芝居的な要素が強調されますね。
それがオペラとしていいか悪いかは別ですが。
ただ、今回は歌も芝居も最高レベルの舞台の映像化でした。
カルメンって女性は時々女性の解放だとか自由だとかの視点で語られたり、
逆に悪女ぶりが誇張されたりしますけど、
今日見た演出だと、キリスト教倫理観で思考する男とジプシーの人生観(自由で開放的と解釈されることが多いけど、実は仲間内の暗黙の了解的な掟に縛られてる)を持つ未成熟な女が、必然的に辿る悲劇的運命なんじゃないだろうかと感じました。
恋してる男がいるから強盗の仕事には今回行けないというカルメンの言葉から察するに、この段階では普通の恋する女。違うのは皆からちやほやされる分、惚れられて当たり前、男は自分の言うことを聞いて当たり前と思ってしまう、この手の女が必ず陥る思い込み。そういう意味ではカルメンは魔性の女でもなんでもないんじゃないかな。それが彼女に会いに来たドン・ホセが帰営ラッパの音を聞き帰ると言い出すのを聞き、彼女は初めて自分の思い通りにならない相手だと思って感情的に怒るのです。またホセはホセで、仕事だから我慢するのが当たり前という自分が今まで慣れ親しんだ価値観をカルメンにも押し付けるからけんかになるのは当たり前。
カルメンの感情がホセを拒否しだすのは、せっかく上官から内密にホセを逃がそうとしたのに、
嫉妬に狂ったホセは彼女のせっかくの行為を台無しにし、結果的にホセもジプシーの盗賊行為に加担することになる…。このあたりからカルメンがホセの押し付けがましく、威圧的な愛情に嫌気がさしてきます。
ただ一般的に思われてるカルメン像なら、最後にあぶないとわかっていながら、
ホセと二人だけで話す環境を作らないんじゃないかなという気がします。
二人の女友達が心配してるのに、彼と話すわと言って結果的にさされてしまうカルメンは、
占いで出た結果が現実になる運命だと信じていた、または自分からそれを引き寄せてしまってのだと思います。
だとすると、やり方はとても残酷だけれど、彼女は彼女なりにホセを愛していたんじゃないかと思ってしまうわけです。
今回は表情がとてもよく見えたせいか、歌手達の表情、身振りなどから芝居的要素が際立って見えましたが、
これも演出家の意図なのかもと思ったりします。
舞台はシンプルなのに、とても洗練されていました。
ホセとカルメンの絡みはとても官能的だったし、
ジプシーのダンスシーンでは、本格的フラメンコダンスが見られたり、
舞台セットはそれほど大仰ではないのに、華やかな舞台でした。
この作品で私が唯一退屈になるのはミカエラとホセのシーンなんだけど、
それでも、そのシーンがないと他の部分が目立たないから仕方ないか(笑)。
歌手はカルメン役とドン・ホセ役の人は特に素晴らしかった!
両方ともルックスや体型も想像力で補わなくてもいい人だったし(^^;)、
カルメン役のクリスティーン・ライスは目配せや誘惑の仕方も上手かったです。
カルメン クリスティーン・ライス
ドン・ホセ ブライアン・ハイメル
エスカミーリョ アリス・アルギリス
ミカエラ マイヤ・コバレヴスカ
モラレス ダーウィッド・キンバーグ
ズ二ガ ニコラ・クルジャル
フラスキータ エレナ・クサントウダキス
メルセデス ポーラ・ムリヒー
ダンカイロ エイドリアン・クラーク
レメンダード ハリー・ニコール
「ランメルモールのルチア」は初見。DVDなどでも見たことがなかった作品で、
今回とても楽しみにしてました。
内容はスコットランドのロミオとジュリエットみたいな敵同士の恋愛悲劇です。
ただし、ルチアはジュリエットより悲劇的。
理由としてはまずルチアの繊細さと弱さにあります。
スコットランドは幽霊話が多く、この作品にもそれがモチーフとして使われてましたが、
ヒロインルチアは、どうやらそういう話を聞くと、それが見えてしまったり
くよくよしてしまうとても弱い女性のようです。
実際今回の演出では、嫉妬に狂った男性から殺され泉の底に眠っている女性の話を歌うアリアの際、
女性が幽霊として出てきたりする演出で、ルチアの精神的弱さを表現し、
それがまたラストの狂乱の場面を暗示していて興味深かったです。
政敵である妹の想い人への復讐心から、妹に嘘の手紙を読ませ、一族再興に役立つ相手との結婚を強要する兄も
ちょっと粘着質すぎる異常さがありますから、
この演出では、そういう精神的不安定さを抱える人物ゆえに起こった悲劇として描いていたのかも。
最初から狂うことを暗示する前提のもとに歌うのは、さぞかし難しいだろうと思うのに、
ルチア役のナタリーデセイは、とても丁寧で繊細な、計算されつくした歌い方と表情で演じてました。
当たり役だけのことはあります!
幕間インタビューでちょっと喉が乾燥してて…と言っていたように
ちょっとかすれる部分がありヒヤっとしましたが、
それをふっとばす素晴らしい出来でした。
ルチアの恋人エドガルドのジョセフ・カレーヤも素直に伸びるいい声。
ルチアの兄エンリコのルードヴィック・テジエは低音の響き方がいい!
この方、インタビューの時のお声も低く響いて素敵でした〜♪
ちなみにお顔もハリー・ポッターに出てくるスネイプ先生が年をとったらこんな感じ?
という雰囲気で私好みでした(笑)。
印象的だったのはナタリー・デセイがインタビューで語った言葉。
いつもこれが最後だと思って歌ってる…
一期一会ってことですよね。だからこそ素晴らしいんだな〜と再認識。
この人の演技プランは並の女優さん以上です。
さらにインタビューで喜劇と悲劇、どちらが好きですか?と聞かれ、
悲劇のほうが楽(感情に任せて歌い演じられる)で、喜劇だとタイミングがしっかり決まっていて
はずすと笑うシーンにならないらしく、そのタイミングが凄く難しいけど、
喜劇のほうがお好きらしいです。
これは私もそうなので、なんとなく嬉しいかったです。
体が自然に動くように、歌う前に自分用の地図のような計画を立てるとか、
話を聞いてると、頭もいい方のようですね。
これだけ意識して歌い演じられてる方なら、
彼女が他の役をやったときも見てみたいものです。
来年は椿姫のライブビューイングもあるみたいだから、
彼女のヴィオレッタもぜひ見てみたいものです。
(トリノのRegio来日公演では彼女がヴィオレッタだったんだけど、見られなかった…)
映画とはいえ、舞台をそのまま中継してるので、
途中休憩がはいり、3〜4時間の鑑賞…
さすがに疲れました(笑)が、楽しかったです。
ルチア ナタリー・デセイ
エドガルド ジョセフ・カレーヤ
エンリーコ ルードヴィック・テジエ
以前友人に借りて読んだ作品が↓
さらにその続編が↓
![]() | 魔王 (講談社文庫) (2008/09/12) 伊坂 幸太郎 商品詳細を見る |
さらにその続編が↓
![]() | モダンタイムス (Morning NOVELS) (2008/10/15) 伊坂 幸太郎 商品詳細を見る |
道尾秀介氏に続き、伊坂幸太郎を立て続けに読んでますが、
まずはオーデュボンの祈り。
どこかわからない島で、未来を予知し、それを告げる(しゃべる)案山子が殺される。
島の住民もどこか代わっていて、皆がそれぞれ秘密を抱えて生きている設定は、
読んでいてなんとなく羊シリーズの村上春樹の小説のよう。
常識で測れない人物と暮らしていくうちに、
自分を見つめなおしていく主人公と、救いようのない悪人と
それを自分の尺度で殺していく人物と…。
これを読んでいると普段身をおく社会で解決できない理不尽な出来事が
こういう世界なら解決してしまうんだという、常識というか倫理観がくずされていく気がする。
伊坂氏ってきっと理不尽な事件にものすごく怒りを感じてるんじゃないかと感じることがある。
以前読んだ小説(確か重力ピエロだったと思う)で登場人物が語った言葉に(細かい言い回しは違うと思うけど)
「"目には目を、歯には歯を"という法は、目を傷つけたら、目しか
傷つけちゃいけないって法なんだよ。やられたこと以上の仕返しはしちゃいけないんだ」
というのがあったけど、これでも警察や現代の法で裁けないものに関しては
妥当な復讐をするエピソードがあったし、何作か読んで彼の作品の中には法的には犯罪者だけど、
ポリシーがあって底の底では善人だったり、表向きは警察官だけど、影で人の心を傷つけるために
暴力振るったり、自分のせいで愛する人間が死んでいったという意識を感じさせたいために、わざと人にぶつかったりする人物がでてきたりする。
その辺が村上春樹作品とは違う印象を受ける。
この作品に桜という自分の基準で人を拳銃で殺すけれど、島の警察や人も彼の基準を受け入れているから
彼の殺しに関しては受け入れている人物がいる。
彼の基準とはいっても、誰もがあくどいと思っている人物ばかり殺すから
誰も何もいわないのだが、ラストの彼の行動は読者も胸がすっとするシーンだ。
綺麗事でない世の中と、神のように法を超え「悪」を裁く人物と…
読了後にもやもやが残らないのがいい。
不慮の事故や事件で死ぬ人物は死神がかかわっている。死神はリストに挙げられた人物に死ぬ日の1週間ほどまえに接触し、「死」の実行の可否を判断し上に報告することになっている。
主人公は雨男の死神。彼がかかわる人物それぞれが短いストーリーになっている短編の形式だが、
最後に前のストーリーの人物も一部でてくるので、つながっているといえばつながっていて、
その辺が私好みの短編。私は基本的にまったく違う話が集められた短編集はあまり好きではないので…。
私としては上のオーデュボンよりこちらのほうがいい。
仕事をするときだけ地上にこられる死神たちは、なぜか「ミュージック」が好き。
暇があるとCDショップへ行き、試聴コーナーで聞いていると同僚に会えるという設定も面白い。
と、このくだりで「あ、これ映画で見た!」と思った間抜けな私(笑)。
そのくらい映画の印象も強くて、私の好きな「ベルリン天使の詩」に似てたというところまで覚えてたから
読んですぐ思い出したということは、きっと映画が小説の世界を上手く再現してたってことだと思う!
特に最後のエピソードがじわっと感動します。
↓がその映画版。
映画も本もこれはオススメ!
まずはオーデュボンの祈り。
![]() | オーデュボンの祈り (新潮文庫) (2003/11) 伊坂 幸太郎 商品詳細を見る |
どこかわからない島で、未来を予知し、それを告げる(しゃべる)案山子が殺される。
島の住民もどこか代わっていて、皆がそれぞれ秘密を抱えて生きている設定は、
読んでいてなんとなく羊シリーズの村上春樹の小説のよう。
常識で測れない人物と暮らしていくうちに、
自分を見つめなおしていく主人公と、救いようのない悪人と
それを自分の尺度で殺していく人物と…。
これを読んでいると普段身をおく社会で解決できない理不尽な出来事が
こういう世界なら解決してしまうんだという、常識というか倫理観がくずされていく気がする。
伊坂氏ってきっと理不尽な事件にものすごく怒りを感じてるんじゃないかと感じることがある。
以前読んだ小説(確か重力ピエロだったと思う)で登場人物が語った言葉に(細かい言い回しは違うと思うけど)
「"目には目を、歯には歯を"という法は、目を傷つけたら、目しか
傷つけちゃいけないって法なんだよ。やられたこと以上の仕返しはしちゃいけないんだ」
というのがあったけど、これでも警察や現代の法で裁けないものに関しては
妥当な復讐をするエピソードがあったし、何作か読んで彼の作品の中には法的には犯罪者だけど、
ポリシーがあって底の底では善人だったり、表向きは警察官だけど、影で人の心を傷つけるために
暴力振るったり、自分のせいで愛する人間が死んでいったという意識を感じさせたいために、わざと人にぶつかったりする人物がでてきたりする。
その辺が村上春樹作品とは違う印象を受ける。
この作品に桜という自分の基準で人を拳銃で殺すけれど、島の警察や人も彼の基準を受け入れているから
彼の殺しに関しては受け入れている人物がいる。
彼の基準とはいっても、誰もがあくどいと思っている人物ばかり殺すから
誰も何もいわないのだが、ラストの彼の行動は読者も胸がすっとするシーンだ。
綺麗事でない世の中と、神のように法を超え「悪」を裁く人物と…
読了後にもやもやが残らないのがいい。
![]() | 死神の精度 (文春文庫) (2008/02/08) 伊坂 幸太郎 商品詳細を見る |
不慮の事故や事件で死ぬ人物は死神がかかわっている。死神はリストに挙げられた人物に死ぬ日の1週間ほどまえに接触し、「死」の実行の可否を判断し上に報告することになっている。
主人公は雨男の死神。彼がかかわる人物それぞれが短いストーリーになっている短編の形式だが、
最後に前のストーリーの人物も一部でてくるので、つながっているといえばつながっていて、
その辺が私好みの短編。私は基本的にまったく違う話が集められた短編集はあまり好きではないので…。
私としては上のオーデュボンよりこちらのほうがいい。
仕事をするときだけ地上にこられる死神たちは、なぜか「ミュージック」が好き。
暇があるとCDショップへ行き、試聴コーナーで聞いていると同僚に会えるという設定も面白い。
と、このくだりで「あ、これ映画で見た!」と思った間抜けな私(笑)。
そのくらい映画の印象も強くて、私の好きな「ベルリン天使の詩」に似てたというところまで覚えてたから
読んですぐ思い出したということは、きっと映画が小説の世界を上手く再現してたってことだと思う!
特に最後のエピソードがじわっと感動します。
↓がその映画版。
映画も本もこれはオススメ!
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今週はまだ学校の新しい期がはじまってなくて、
お休みの土曜日。
前回「ドン・パスクワーレ」を見たMETのLive Viewingの「ドン・カルロ」を見てきました。
指揮:ヤニック・ネゼ・セガン
演出:ニコラス・ハイトナー
ドン・カルロ:ロベルト・アラーニャ
エリザベッタ:マリーナ・ポプラフスカヤ
フィリッポ2世:フェルッチョ・フルラネット
ロドリーゴ:サイモン・キーンリーサイド
エボリ公女:アンナ・スミルノヴァ
昔からフィリッポ2世をやっているバス歌手のフェルッチョ・フルラネットのファンで、彼がまだ若くてフィガロ(フィガロの結婚の)を歌っている頃から好きだったのですが、今や立派な貫禄あるベテランバス歌手で、感慨深いです。
彼の声はとても響く低い声で、大人の包容力や王や哲学者の重々しさを十分表現できるところ。もともとバスが主役の作品って少なく、ロシアオペラのボリスゴドノフなどで最近はよく出演してましたが、残念ながら生の舞台でこれを見たことがありません。生で彼の歌を聞いたのは、随分前日本でのヘネシーオペラでの「ナブッコ」のザッカリア(だったと思う…)とトリノでのドン・カルロでのフィリッポ2世。
トリノで見た時はHugo De Anaという演出家の豪華絢爛なピカピカの演出でした。全盛期のスペインの豪奢をそのまま舞台にのせたようなセットの中で、シンプルな部屋で歌われるL'amore per me non haは国王として権力をもちながらも教会から頭を押さえつけられ、問題は山積み、妻は自分を愛していないと孤独を嘆くアリアは、王宮の豪華さの影で人の心の寂しさを際立たせていました。
今回の舞台はセットは比較的シンプル(それでも王宮のシーンは豪華でしたが)で幕が閉まっている間の装置転換はとてもスムーズ。
だからこそ歌に集中してみることが出来ました。
今回出演歌手皆素晴らしく、特に男性3人がMETじゃなきゃ揃わないだろうというキャストで、これを見られるのは本当に幸せだと思います。
ロベルト・アラーニャは、実はあまり好きなタイプの歌手ではないのですが、昔に比べると歌での演技表現が上手くなったという印象。またこの悩める、しかしやはり世間知らずで甘ったれの王子役にはぴったりだったのではないかと思います(^^;)。
確かに自分の許婚と決められていたフランスの姫を人目見ようと、外交官の一行にお忍びで紛れ込み、彼女を見て政略だけでなく本心で愛したのに、国と国との和議の結果、父王の妃として決められてしまうのは同情に値します。が、同じく本気でカルロ王子を愛したエリザベッタも同じ立場でありながら、戦いを終わらせ平和を…と願う皆のことを考え、年の離れた王との結婚を承知し、心は閉ざしながらも王妃としての義務を果たそうとする彼女と比べると、いつまでもエリザベッタをあきらめようとしないカルロ王子は王子としての自覚に欠けます。
おまけに自分を命がけで助け、スペインの圧制に苦しむフランドルを救ってくれといいながら死んでいった親友ロドリーゴとの約束も果たせないまま芯でしまうし…(-_-)。
テノールってこういう役どころが多いなぁ(笑)。
フィリッポ2世(スペインだとフェリペ2世)は権勢を誇り、大帝国の主でありながら教会に頭を押さえつけられ、本当に愛していて、妻にも自分を愛して欲しいと思っているのに愛されず、息子も自分を尊敬してほしいのにたてつくばかりときては、幸せな国王とはいえないのです。
オペラのタイトルは王子の名前ですが、私としてはこのオペラの真の中心人物はこのフィリッポ2世じゃないかと思います。王の持つ傲慢さと孤独を併せ持ち、普通の人間としての悲哀を舞台上に顕現するのがこの役。
フェルッチョ・フルラネットはこの「孤独」を表現するのがとても上手い!
実は彼の素の声を聞いたのは、この映画の中で行われたインタビューが初めてなのですが、喋る声も低くて素敵♪
「この役の聞かせどころは?」という質問に「彼は王という立場で最高権力を持ちながらも、色々な問題を抱えている。妻との関係、息子との関係…普通の人間でもあるということを出したい」というような真面目な応答をしていて(笑)、冗談を交えながらも、それぞれの質問に難しい、難しいと連発していたアラーニャとは違う面を出してました(苦笑)。フルラネットって大学も哲学を専攻してたみたいだし、イタリア人歌手には珍しいタイプに見えました(^^;)。
ロドリーゴのサイモン・キーンリーサイドは、以前ミラノでドン・ジョヴァンニを見たことがあります。もともと女たらし男ジョヴァンニとして有名だった彼ですが、いやいや友情に厚い立派な男を演じるようになったものです。ビジュアル的には彼が一番見ごたえアリ(笑)。もちろん声も素敵でしたよ?。もともとこのオペラのロドリーゴってのは美味しい役どころなんだよね(^^;)
アリアとしてはカルロとロドリーゴが歌うテノールとバリトンのデュエット「Dio, che dell'alma infondere」が有名。男の友情を歌ったアリアでバリトンとテノールの声のバランスがよく響くように考えられた素晴らしいメロディです。カルロが自分を愛してると思い込み、違うと分かったら逆恨みでエリザベッタを陥れるエボリ公女の歌う「Nel giardin del velo」もなんとも異国情緒が漂ういいアリア。
ヴェルディの作品って音楽で自分のポリシーの主張をしてるんじゃないかと感じることがあって、有名なのは「Nabucco」での「Va' Pensiero」
なんだけど、この作品でも異端審問で裁かれ、火あぶりが行われるシーンでの神と王をたたえる美しいメロディが、聖職者達の残虐さを逆に際立たせていて、人間がどれほど神の名を借りて人を殺してきたかが迫ってきます。
イタリアオペラの作曲家としては、私自身はプッチーニやロッシーニ、ドニゼッティが好きなのですが、ヴェルディはドラマ性ではやはりイタリアオペラを代表する作曲家ですね。一般には「アイーダ」とか「椿姫」が有名ですが、私は「イル・トロヴァトーレ」とか、この「ドン・カルロ」が好きで、それ以上に音楽的には喜劇でもある「ファルスタッフ」が一番好きです。
このLive Viewingでもイル・トロヴァトーレは5月に予定されているので、時間が合えばこれも見たいなと思っています。
前回は銀座で、今回は新宿で見たのですが、1時間半前についた段階では前列2列のみしか開いてなくて、15分後には満席のアナウンスが!
皆何日か前に指定券を購入しているようです。私は3演目前売り券を割引で買っているので、座席指定は映画館でしか出来ず、あまりいい席が残っていませんでした。1日1回、1週間のみの上映というせいもありますが、結構ファンって多いのですね。次回は何日か前に映画館で座席に変えないと!
銀座は古い映画館なので音は新宿のほうが良かった気がします。ただ時間が新宿だと午前中なので、学校がある土曜日は無理…。次回も土曜日が休みの日に当たると良いですが、なかなか上手くいきませんね。
お休みの土曜日。
前回「ドン・パスクワーレ」を見たMETのLive Viewingの「ドン・カルロ」を見てきました。
指揮:ヤニック・ネゼ・セガン
演出:ニコラス・ハイトナー
ドン・カルロ:ロベルト・アラーニャ
エリザベッタ:マリーナ・ポプラフスカヤ
フィリッポ2世:フェルッチョ・フルラネット
ロドリーゴ:サイモン・キーンリーサイド
エボリ公女:アンナ・スミルノヴァ
昔からフィリッポ2世をやっているバス歌手のフェルッチョ・フルラネットのファンで、彼がまだ若くてフィガロ(フィガロの結婚の)を歌っている頃から好きだったのですが、今や立派な貫禄あるベテランバス歌手で、感慨深いです。
彼の声はとても響く低い声で、大人の包容力や王や哲学者の重々しさを十分表現できるところ。もともとバスが主役の作品って少なく、ロシアオペラのボリスゴドノフなどで最近はよく出演してましたが、残念ながら生の舞台でこれを見たことがありません。生で彼の歌を聞いたのは、随分前日本でのヘネシーオペラでの「ナブッコ」のザッカリア(だったと思う…)とトリノでのドン・カルロでのフィリッポ2世。
トリノで見た時はHugo De Anaという演出家の豪華絢爛なピカピカの演出でした。全盛期のスペインの豪奢をそのまま舞台にのせたようなセットの中で、シンプルな部屋で歌われるL'amore per me non haは国王として権力をもちながらも教会から頭を押さえつけられ、問題は山積み、妻は自分を愛していないと孤独を嘆くアリアは、王宮の豪華さの影で人の心の寂しさを際立たせていました。
今回の舞台はセットは比較的シンプル(それでも王宮のシーンは豪華でしたが)で幕が閉まっている間の装置転換はとてもスムーズ。
だからこそ歌に集中してみることが出来ました。
今回出演歌手皆素晴らしく、特に男性3人がMETじゃなきゃ揃わないだろうというキャストで、これを見られるのは本当に幸せだと思います。
ロベルト・アラーニャは、実はあまり好きなタイプの歌手ではないのですが、昔に比べると歌での演技表現が上手くなったという印象。またこの悩める、しかしやはり世間知らずで甘ったれの王子役にはぴったりだったのではないかと思います(^^;)。
確かに自分の許婚と決められていたフランスの姫を人目見ようと、外交官の一行にお忍びで紛れ込み、彼女を見て政略だけでなく本心で愛したのに、国と国との和議の結果、父王の妃として決められてしまうのは同情に値します。が、同じく本気でカルロ王子を愛したエリザベッタも同じ立場でありながら、戦いを終わらせ平和を…と願う皆のことを考え、年の離れた王との結婚を承知し、心は閉ざしながらも王妃としての義務を果たそうとする彼女と比べると、いつまでもエリザベッタをあきらめようとしないカルロ王子は王子としての自覚に欠けます。
おまけに自分を命がけで助け、スペインの圧制に苦しむフランドルを救ってくれといいながら死んでいった親友ロドリーゴとの約束も果たせないまま芯でしまうし…(-_-)。
テノールってこういう役どころが多いなぁ(笑)。
フィリッポ2世(スペインだとフェリペ2世)は権勢を誇り、大帝国の主でありながら教会に頭を押さえつけられ、本当に愛していて、妻にも自分を愛して欲しいと思っているのに愛されず、息子も自分を尊敬してほしいのにたてつくばかりときては、幸せな国王とはいえないのです。
オペラのタイトルは王子の名前ですが、私としてはこのオペラの真の中心人物はこのフィリッポ2世じゃないかと思います。王の持つ傲慢さと孤独を併せ持ち、普通の人間としての悲哀を舞台上に顕現するのがこの役。
フェルッチョ・フルラネットはこの「孤独」を表現するのがとても上手い!
実は彼の素の声を聞いたのは、この映画の中で行われたインタビューが初めてなのですが、喋る声も低くて素敵♪
「この役の聞かせどころは?」という質問に「彼は王という立場で最高権力を持ちながらも、色々な問題を抱えている。妻との関係、息子との関係…普通の人間でもあるということを出したい」というような真面目な応答をしていて(笑)、冗談を交えながらも、それぞれの質問に難しい、難しいと連発していたアラーニャとは違う面を出してました(苦笑)。フルラネットって大学も哲学を専攻してたみたいだし、イタリア人歌手には珍しいタイプに見えました(^^;)。
ロドリーゴのサイモン・キーンリーサイドは、以前ミラノでドン・ジョヴァンニを見たことがあります。もともと女たらし男ジョヴァンニとして有名だった彼ですが、いやいや友情に厚い立派な男を演じるようになったものです。ビジュアル的には彼が一番見ごたえアリ(笑)。もちろん声も素敵でしたよ?。もともとこのオペラのロドリーゴってのは美味しい役どころなんだよね(^^;)
アリアとしてはカルロとロドリーゴが歌うテノールとバリトンのデュエット「Dio, che dell'alma infondere」が有名。男の友情を歌ったアリアでバリトンとテノールの声のバランスがよく響くように考えられた素晴らしいメロディです。カルロが自分を愛してると思い込み、違うと分かったら逆恨みでエリザベッタを陥れるエボリ公女の歌う「Nel giardin del velo」もなんとも異国情緒が漂ういいアリア。
ヴェルディの作品って音楽で自分のポリシーの主張をしてるんじゃないかと感じることがあって、有名なのは「Nabucco」での「Va' Pensiero」
なんだけど、この作品でも異端審問で裁かれ、火あぶりが行われるシーンでの神と王をたたえる美しいメロディが、聖職者達の残虐さを逆に際立たせていて、人間がどれほど神の名を借りて人を殺してきたかが迫ってきます。
イタリアオペラの作曲家としては、私自身はプッチーニやロッシーニ、ドニゼッティが好きなのですが、ヴェルディはドラマ性ではやはりイタリアオペラを代表する作曲家ですね。一般には「アイーダ」とか「椿姫」が有名ですが、私は「イル・トロヴァトーレ」とか、この「ドン・カルロ」が好きで、それ以上に音楽的には喜劇でもある「ファルスタッフ」が一番好きです。
このLive Viewingでもイル・トロヴァトーレは5月に予定されているので、時間が合えばこれも見たいなと思っています。
前回は銀座で、今回は新宿で見たのですが、1時間半前についた段階では前列2列のみしか開いてなくて、15分後には満席のアナウンスが!
皆何日か前に指定券を購入しているようです。私は3演目前売り券を割引で買っているので、座席指定は映画館でしか出来ず、あまりいい席が残っていませんでした。1日1回、1週間のみの上映というせいもありますが、結構ファンって多いのですね。次回は何日か前に映画館で座席に変えないと!
銀座は古い映画館なので音は新宿のほうが良かった気がします。ただ時間が新宿だと午前中なので、学校がある土曜日は無理…。次回も土曜日が休みの日に当たると良いですが、なかなか上手くいきませんね。
![]() | 重力ピエロ (新潮文庫) (2006/06) 伊坂 幸太郎 商品詳細を見る |
最近映画化にひっぱりだこの伊坂幸太郎さん、
なぜかあまり読んだことがなかったのですが、DVDなどで実は映画は結構見てたんですね。
原作は読んだことなくて友人に短編集「Fish Story」を借りて読み、
面白かったのがきっかけで長編も読もうと図書館で借りてきたのが「重力ピエロ」。
映画ハシゴの2本目はMETのライブビューイング「ドン・パスクワーレ」です。
大体1ヶ月ほど前に実際にNYのメトロポリタン歌劇場で上演された演目を
デジタル映像にして映画館で上映するという企画。
これは日本だけではなく、世界数カ国で同じものが上映されているようです。
なかなかNYまでいけない、行けてもオペラハウスまでは…という人にとっては
ありがたい試みですね。
私もNYは2回行きましたが、メトロポリタン歌劇場は未踏です。
来日公演は数回見ましたが、その豪華さに圧倒されました。
天井にシャガールの絵が描かれ、上演時にはシャンデリアが上がっていく姿を
いつかじかに見たいものです。
オペラは劇場で見るに勝るものはありませんが、
このライブビューイングの良いところはデジタルなので画質・音質がとてもよいこと、
また通常は幕間の時間に舞台裏を見せながら、セットの解説や出演者へのインタビューなどをしていることです。
インタビュアーも歌手なので、オペラやアリアについての専門的な質問から歌手同士のウチワネタなどまで
幅広く、ありきたりではない質問と答えを聞けることがかなり美味しい♪
大体1ヶ月ほど前に実際にNYのメトロポリタン歌劇場で上演された演目を
デジタル映像にして映画館で上映するという企画。
これは日本だけではなく、世界数カ国で同じものが上映されているようです。
なかなかNYまでいけない、行けてもオペラハウスまでは…という人にとっては
ありがたい試みですね。
私もNYは2回行きましたが、メトロポリタン歌劇場は未踏です。
来日公演は数回見ましたが、その豪華さに圧倒されました。
天井にシャガールの絵が描かれ、上演時にはシャンデリアが上がっていく姿を
いつかじかに見たいものです。
オペラは劇場で見るに勝るものはありませんが、
このライブビューイングの良いところはデジタルなので画質・音質がとてもよいこと、
また通常は幕間の時間に舞台裏を見せながら、セットの解説や出演者へのインタビューなどをしていることです。
インタビュアーも歌手なので、オペラやアリアについての専門的な質問から歌手同士のウチワネタなどまで
幅広く、ありきたりではない質問と答えを聞けることがかなり美味しい♪
毎週土曜日は3時くらいまで学校に通っているので、
最近結構疲れ気味…(^^;)
それでも見たいものはなるべく土曜日夜見て日曜はゆっくり休むようにしてます。
昨日はなんと映画のはしご(笑)。
最近よい映画が多い女性監督の中の一人が作った
「マザーウォーター」と
NYのメトロポリタンオペラのライブビューイング
ドニゼッティの「ドン・パスクワーレ」です。
ドン・パスクワーレの感想は別途記事をたてて記すとして、
「マザーウォーター」の感想をば。
京都のとある、良い「水」に惹かれ集まった女性3人を中心に
小さい町の人との交流を静かにひたひたと綴った作品です。
「かもめ食堂」「めがね」「プール」を企画したのと同じプロジェクトです。
コーヒー店、豆腐店、ウィスキー専門のバーと
それぞれ水が重要な要素を占める店を経営する女性を
小泉今日子、市川実日子、小林聡美が演じてます。
予告編(注意!音が出ます)
最近結構疲れ気味…(^^;)
それでも見たいものはなるべく土曜日夜見て日曜はゆっくり休むようにしてます。
昨日はなんと映画のはしご(笑)。
最近よい映画が多い女性監督の中の一人が作った
「マザーウォーター」と
NYのメトロポリタンオペラのライブビューイング
ドニゼッティの「ドン・パスクワーレ」です。
ドン・パスクワーレの感想は別途記事をたてて記すとして、
「マザーウォーター」の感想をば。
京都のとある、良い「水」に惹かれ集まった女性3人を中心に
小さい町の人との交流を静かにひたひたと綴った作品です。
「かもめ食堂」「めがね」「プール」を企画したのと同じプロジェクトです。
コーヒー店、豆腐店、ウィスキー専門のバーと
それぞれ水が重要な要素を占める店を経営する女性を
小泉今日子、市川実日子、小林聡美が演じてます。
予告編(注意!音が出ます)
ちょっと前になりますが、読んだ本の感想を書いておきましょう。まずはこちら。
映画にもなったのでご存じの方は多いかも。
事件そのものは単純で、山中で保険外交員として働く若い女性が山の中で殺される。
犯人も若者そして、その若者と携帯を通じて知り合った年上の女性と逃げるというものです。
この作品で問題となっているのは、なぜこの女性は殺されたのか?
そしてこの若者はなぜ最後にああいう結論をだしたのか?
女性はなぜこの若者を好きになり、一緒に逃げたのか?
ということだと思います。
映画のキャッチフレーズでさんざん流れていた「本当の悪人はいったい誰なのか?」
まさにこの言葉がこの作品を表していると思います。
殺されて当然なんて人はいないでしょうが、
殺された女性が、ただ可哀想なだけの女性ではないこと、
人に見栄をはり、友達に嘘をつき、
犯人の若者との待ち合わせがあるのに、
合コンで知り合った意中の男の車でドライブ、
あげくのはてにイライラしたその男に山中で車から放り出された。
彼女の父親が後にこの男に詰め寄るように、
彼が放り出さなければ殺されることはなかったかもしれない。
いや、そもそも彼女が約束を守っていたら…
たら・ればは事件が起こってから言っても詮無いことですが、
皆それぞれ「悪人」の部分は持っているのです。
一線を越え、殺人を犯してしまうかどうかが重要なのだけれど、
それは遠くの世界のことではなく、ごくごく身近に潜んでいる危険なのだと
これを読んで感じました。
後半に出てくる女性との逃亡では、傷をいたわりあうような会話が切なく、
だからこそ彼女のことをかばうかのような彼の最後の供述が痛い。
彼の逮捕後の供述後は描かれていないけど、
なんとなくあの女性は出所まで待ち続けるのではないかと私には思えました。
こちらは殺人事件の時効間近のお話。
未解決事件の容疑者でもある女性と不倫をしている男性の視点で語られます。
これの面白いところは、男性の勝手な思い込みで進んでいく関係が、
実は女性によって仕組まれたものであったところです。
結局事件には犯人はいないものではあるのですが、
それをわかっていながら、その原因となった人に思い知らせるために仕組んだ不倫関係。
男性にとってはショックでしょうねぇ(^^;)。
彼の友人の語る言葉で不倫は不倫のまま、家庭を壊そうなんて考えるなというのがありますが、
それをお互いが納得の上つきあってるうちは良いバランスを保っている関係も、
男性が一言家庭を捨てても…なんて言うと、女性は期待をするし、
それを見て取ると逆に男性は引いてしまうという関係がリアルに描かれてておかしい。
男性がそれを書くということは世の男性への警告?(笑)
結果それを計算した上で動いた主人公の女性と、知っていて黙っていた男性の妻は
本当に強いのだとわかるラストが痛快。
おまけについてる彼の友達の告白も、人生甘くないんだと追い討ちをかけてます。
![]() | 悪人(上) (朝日文庫) (2009/11/06) 吉田 修一 商品詳細を見る |
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映画にもなったのでご存じの方は多いかも。
事件そのものは単純で、山中で保険外交員として働く若い女性が山の中で殺される。
犯人も若者そして、その若者と携帯を通じて知り合った年上の女性と逃げるというものです。
この作品で問題となっているのは、なぜこの女性は殺されたのか?
そしてこの若者はなぜ最後にああいう結論をだしたのか?
女性はなぜこの若者を好きになり、一緒に逃げたのか?
ということだと思います。
映画のキャッチフレーズでさんざん流れていた「本当の悪人はいったい誰なのか?」
まさにこの言葉がこの作品を表していると思います。
殺されて当然なんて人はいないでしょうが、
殺された女性が、ただ可哀想なだけの女性ではないこと、
人に見栄をはり、友達に嘘をつき、
犯人の若者との待ち合わせがあるのに、
合コンで知り合った意中の男の車でドライブ、
あげくのはてにイライラしたその男に山中で車から放り出された。
彼女の父親が後にこの男に詰め寄るように、
彼が放り出さなければ殺されることはなかったかもしれない。
いや、そもそも彼女が約束を守っていたら…
たら・ればは事件が起こってから言っても詮無いことですが、
皆それぞれ「悪人」の部分は持っているのです。
一線を越え、殺人を犯してしまうかどうかが重要なのだけれど、
それは遠くの世界のことではなく、ごくごく身近に潜んでいる危険なのだと
これを読んで感じました。
後半に出てくる女性との逃亡では、傷をいたわりあうような会話が切なく、
だからこそ彼女のことをかばうかのような彼の最後の供述が痛い。
彼の逮捕後の供述後は描かれていないけど、
なんとなくあの女性は出所まで待ち続けるのではないかと私には思えました。
![]() | 夜明けの街で (角川文庫) (2010/07/24) 東野 圭吾 商品詳細を見る |
こちらは殺人事件の時効間近のお話。
未解決事件の容疑者でもある女性と不倫をしている男性の視点で語られます。
これの面白いところは、男性の勝手な思い込みで進んでいく関係が、
実は女性によって仕組まれたものであったところです。
結局事件には犯人はいないものではあるのですが、
それをわかっていながら、その原因となった人に思い知らせるために仕組んだ不倫関係。
男性にとってはショックでしょうねぇ(^^;)。
彼の友人の語る言葉で不倫は不倫のまま、家庭を壊そうなんて考えるなというのがありますが、
それをお互いが納得の上つきあってるうちは良いバランスを保っている関係も、
男性が一言家庭を捨てても…なんて言うと、女性は期待をするし、
それを見て取ると逆に男性は引いてしまうという関係がリアルに描かれてておかしい。
男性がそれを書くということは世の男性への警告?(笑)
結果それを計算した上で動いた主人公の女性と、知っていて黙っていた男性の妻は
本当に強いのだとわかるラストが痛快。
おまけについてる彼の友達の告白も、人生甘くないんだと追い討ちをかけてます。












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